これぞ本物の音楽である。アメリカ南部のブルースの伝統を受け継ぐ日本人ギタリストのことを考えると、これは驚くべきこ とかもしれない。しかし、KAYA は路上でバスキングをし、ニューオリンズ、ロンドン、アムステルダム、沖縄のクラブで演奏し、 その経験を積んできたことがわかる。その努力は実を結んだようだ。KAYA は、アコースティック・ブルースとエレクトリック・ ブルースで、心から語りかけるような、はっきりとした表現力と個性のあるスタイルを作り上げ、同時にデルタ・ブルースの 遺産とライ・クーダーなどの後のスタイリストを反映させている。「Guernica」の脂ぎったブルースも、「Butterfly 」の物静 かなブルースも、KAYA が作り出す親密な雰囲気は印象に残る。まさに強力な作品である。